痛いときにやるべきこと~冷却法編Part2~


千歳船橋・経堂の膝腰専門院、信栄堂整骨院の島田です。

 

前回は痛いときにやるべきこと3つのうち「冷却法」について書きました。

 

前回に引き続き今回はじゃあ、「なぜ冷却法したほうがいいのか?」というお話です。

 

信栄堂にいらっしゃる患者さんのほとんどが今まで温めてました。という方々です。

最初は皆さん、「冷やしてください。」というと「えっ?冷やすんですか?」とびっくりされますが、冷却法によって症状が改善したり、冷やす意味を理解されると、セルフケアとして皆さんせっせと冷やしてくれています。

 

冷やすことは悪いことだと昔から思われていて、冷やすことに抵抗を感じられている方はけっこういらっしゃるんですが、冷却法自体は昔から存在するものですし、現代医療にも使われていますし、その考え方を徐々に広まりを見せています。

 

私は15年ほど前にスポーツトレーナーとしてスポーツ現場で経験を積んでいましたが、その頃にはすでに冷却法は主流になっていましたし、現場でもよーーーく使っていました。

練習や試合があると大量の氷をベンチに持ち込み、大量のアイスバッグを作って急性だろうが、慢性だろうがとにかく冷やしていたのを覚えています。選手は練習がない日でも自宅で冷やすことが日課になっていましたね。

 

?スポーツ選手が冷却法をやっているのをみる機会がありますよね。そう、野球のヒーローインタビューです。インタビューを受けている選手の肩や肘には大きな塊がくっついていませんか?

あの塊の中は実は氷なんです。

けがをしている、していない関わらず、投球で使った肩や肘を痛ませないように冷やしているんです。

 

それから、10年ほど前に出会った70代の患者さんは「痛みを氷で散らすって言うもんな~」と妙に納得してくれたこともありました。

というくらい、冷やすことは昔からされていた方法でもあり、またメジャーなケア方法になってきてるんです。

 

では、なぜ温めるのではなく、冷やさなければならないんでしょうか?

 

この説明をするにはちょっと難しいお話をしなければなりません。

少しだけお付き合いくださいね。

 

そもそも、なんで冷やすと思いますか?

冷やすときってどんなときか考えると、「熱いから」と答えますよね?

そうなんです。熱いから冷やすんですが、どこか熱いかというと患部が熱いんです。患部は何らかの原因によって炎症を起こしています。

炎症していると熱を持つのはなんとなく想像できますよね?

 

痛い=炎症を起こしている=熱を持っている

 

というかんじです。

 

ところで、私たちの体はタンパク質でできています(タンパク質だけではないですが)。どこかのCMでも言っていましたね。

このタンパク質は熱に弱いのですが、私たちの体が熱に弱いということは知らなくても、感覚的に良くないものだということは知っているはずです。

 

例えば、子供が熱を出したら、熱で頭がおかしくなってしまうのではないか、とか熱で死んでしまうのではないか、という恐怖に駆られ必死に熱をさげようとしますよね?

それから熱中症で亡くなるニュースは毎年聞きますが、亡くなった方たちは皆、熱によるものだと知っていますよね?

熱中症になってしまったときは「涼しいところで安静にさせ、首や脇の下、鼡径部など大きな血管が通るところを氷で冷やす」ことになっていますよね?

 

熱は怖いものだとどこかで知っていながら、痛いときにせっせと温めてしまうのですが、それにはこんな体の反応があるからなんです。

 

それは、温めると楽になる。

 

体には痛みを感じる神経があって、その神経が鈍るために痛みが感じにくくなります。

でも、先程のタンパク質は熱に弱いという原則は万物に当てはまるので、熱を加え続ければ害になります。

 

楽になるし、気持ちいいけど害になる。

 

では冷やすことは・・・といえば、冷やすことで痛みを感じる神経は敏感になりますから、痛みは強くなります。あたかも悪化してしまったかのような感覚にさえ陥りますが、体の正常な反応なので、心配ご無用です。

それから、夏は冷やすことは気持ちいいかもしれませんが、冬は気が進みませんよね。

 

となると、冷却法は全く気持ち良くないけど、体には良い。

 

「良薬口に苦し」なんて言葉がありますが、あなたはどちらを選びますか?

 

『痛いときにやるべきこと~歩行編~』に続きます!